STORY
殺し屋の標的になった殺し屋が、“天使の街”ロサンゼルスを彷徨う
ロサンゼルス国際空港に⼀⼈のフランス⼈が降り⽴った。その男、殺し屋ルシアン(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、ビヴァリーヒルズのホテルにチェックインすると、拳銃を懐に⾞でターゲットの住む⾼級住宅街へと向かう。組織の⼤ボスを⼿際良く始末してホテルに戻るが、すでに何者かによってチェックアウトされ、パスポートと航空券が消えていた。疑⼼暗⻤に陥るルシアンに、突如、正体不明の殺し屋(ロイ・シャイダー)が放つ銃弾の⾬が降り注ぐ――。
“天使の街”で罠に落ちた異邦⼈の孤独な戦いが始まった。
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン アン=マーグレット ロイ・シャイダー アンジー・ディキンソン ミシェル・コンスタンタン
ウンベルト・オルシーニ フェリス・オーランディ テッド・デ・コルシア タリア・シャイア ジャッキー・アール・ヘイリー
監督:ジャック・ドレー 製作:ジャック・バール 脚本:ジャン=クロード・カリエール ジャック・ドレー イアン・マクレラン・ハンター
撮影監督:シルヴァーノ・イッポリティ ⾳楽:ミシェル・ルグラン
ジャック・バール制作 原題 THE OUTSIDE MAN
【1972年|フランス・イタリア・アメリカ合作|カラー|アメリカン・ヴィスタ|モノラル|上映時間112分】
提供:キングレコード 配給:コピアポア・フィルム
© 1972 Gaumont (France) / Mondial TE-FI Televisione Films (Italie)
ドロンには「サムライ」が
ブロンソンには「狼の挽歌」が
トランティニャンには本作がある!
はじめての仕事(やま)に一発必中で挑むクソ度胸!
見知らぬ街で殺し屋を必死の形相で振り切る強運!
すべての勝負(かた)をつけるため敵陣に殴り込むど根性!
でも証明写真はニッコリ笑顔!
こんな殺し屋を演じられるのは、ジャン=ルイ・トランティニャンだけ!
ミケランジェロ・アントニオーニには「砂丘」が
ジョン・ブアマンには「殺しの分け前/ポイント・ブランク」が
ジャック・ドレーには本作がある!
多くのヨーロッパ映画人が映像に捉えた誰も見たことのないアメリカ。
その歴史に“ドロンの奴隷”と呼ばれた男が新たな1ページを加える!
ドレーがエスプリを効かせた視線で見つめたL.A.はどこかシュールでなんとなくコミカル。
不思議の街L.A.に面(つら)を揃えるのは、
60~70年代のアメリカが誇る二大グラマー、
殺人鮫を倒しニトロを運んだ伝説の男、
Mr.エマニエル、
フレンチ・ノワールの猿人、
ボルサリーノ・ギャングの舎弟、
そして、幼きロールシャッハと若きエイドリアン!
この映画、観ない理由は三千世界のどこにもない!
それだけで絶対に見る価値のある幻の逸品は、
無口な男たちと妖艶な悪女たちが魅せる
追いつ追われつ、殺し殺され。
『殺しの分け前/ポイント・ブランク』にも通じる
変化球の連続と肩透かしの美学に酔う。
パリの伊達男がフランス訛りの英語を語るとき、女たちが送る好奇の熱い視線。
でもトランティニャンをもっとも追いかけるのはロイ・シャイダーなのだが。
紫煙に包まれ常に優雅で焦らず、表情も崩さないのがトランティニャンだ。
異能の脚本家ジャン=クロード・カリエールと組んだ本作は、事の次第の全体像が見えるまで不条理劇めいた混沌にヒットマンを放り込み、異国の街L.A.の迷宮を彷徨わせる。そしてミシェル・ルグランの音楽。ハードに炸裂しまくる狂気じみたファンク・オルガンが最高。